税理士に依頼しても”お断り”される、あるいは税理士と契約してから1年などの短期間で辞退を申し出られるといった場合があります。
税理士側の都合が悪くお断りする場合もありますが、他の税理士からも何回もお断りされている場合、依頼する側に問題がある可能性あります。
税理士から見て、仕事をお断りしたい人・会社の特徴について、実際に税理士事務所に勤務する私の観点から解説していきます。
目次
お断りしたい特徴3選
税理士側からすると、お断りしたい人や会社には、大きくわけて3つの特徴があります。
これらの特徴に1つまたは複数当てはまっていると、税理士側からするとお断りしたい案件になってきます。
それぞれについて解説します。
資料や情報を出さない・出すのが遅い
税務申告は期限が決まっており、期限を過ぎてしまうと「延滞税」という税金がかかってしまいます。
延滞税がかかると税理士側の責任として損害賠償請求をされる場合もあるため、税理士側としては期限を厳守する必要があります。
依頼者側が資料や情報を出さなかったり、出すのが遅いと期限内に申告するために急いで作業をしなければならなくなり、税理士の負担が大きくなります。
他にも、いったん税務計算が終わった後に売上や経費の情報を追加で出されると、税務計算をやり直しになります。
いずれにしても期限内の申告をするために、税理士の負担が大きくなります。
期限内の申告ができず損害賠償に発展するリスクも高まるため、税理士側としては資料を全く提出しない、あるいは提出が遅れる人・会社からの仕事はあまり受けたくありません。
税務計算だけでなく記帳代行もお願いしている場合に、資料や情報の提供があまりされないと、お客様に質問や確認をする回数が増えます。
質問や確認が増えるとそれだけ作業時間が多くかかり、もらっている料金の割に作業時間が多く採算が合わなくなってしまいます。
税理士側も商売のため、採算が極端に悪い人・会社からの仕事は受けたくはなく、お断りする可能性が高まります。
強引な節税を迫る
少しでも節税したいのは普通の心理ですが、お客様の中には節税のために強引な要求をしてくる人もいます。
例えば実際には発生していない経費を、節税のために発生したことにして欲しいと言ってくるお客様がいますが、それは完全に脱税になります。
税理士は当然に脱税の片棒をかつぎたくはないため、そうした要求をしてくるお客様はお断りする対象になります。
他にも簿外で売上が発生しているのを隠そうとするのも脱税になります。
脱税を指摘される可能性が高いお客様は、税理士側に責任追及されるのを避けるため、お断りさせていただくことになります。
過剰な値下げ交渉や無茶な要求をしてくる
税理士側も商売のため、採算があまりに取れないお客様はお断りせざるを得なくなります。
現在、税理士業界では値下げ合戦となる傾向が強く、最初から安い価格で仕事を請け負っています。
そうした中で過剰な値下げ交渉をされると、完全に採算が合わなくなり赤字となってしまいます。
他にも、「資料を提出した翌日には完了報告をして欲しい」など極端な締め切りを要求されると、それに合わせて残業が多く発生してしまい採算が取れなくなってしまいます。
極端に低い価格を提示してきたり、残業の大幅な増加に繋がる無茶な要求をしてきたりするお客様は、事務所の採算のためにお断りする可能性が高くなります。