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書評No.3 習慣化は自己肯定感が10割

どんな本なの?

習慣が続かない悩みを解くカギは自己肯定感だ、というのが本書です。

何かを習慣にしようとした時、失敗することも多いでしょう。今日はサボってしまった、ダイエットをするつもりが我慢できなかった、というような小さな失敗です。

そんな時、自分をポジティブに肯定し、失敗した自分を受け止め、習慣化を諦めない、逃げ出さない自分をつくる。そうするためには自己肯定感を高めることが大切、というのが本書の主張です。

確かに私も、習慣化したいと思っていた毎日の読書をついサボってしまう日もあり、その度に後悔しています。「こんなことじゃダメだ」と自分を責めることで自分を追い込んでしまい、本を読むこと自体が嫌になってくる・・・といった経験があるため、筆者の主張には「なるほど!」と思わせてくれる納得感があります。

自己肯定感の種類と、習慣化の関係

筆者は自己肯定感を6つのグループに分けています。

①自尊感情→自分には価値があると思える感覚

②自己受容感→ありのままの自分を認める感覚

③自己効力感→自分にはできると思える感覚

④自己信頼感→自分を信じられる感覚

⑤自己決定感→自分で決定できるという感覚

⑥自己有用感→自分は何かの役に立っているという感覚。

この6つの自己肯定感を育てながら習慣化を達成していくのが上手く習慣をつくるコツとなります。

それぞれのグループ毎に段階を踏み、22日~66日をかけて習慣化を行っていきます。

習慣化の6ステップ

習慣化するためには先ほどの6つの自己肯定感を高めながら、習慣化をそれぞれの時期に合わせたステップを踏み、それぞれのステップ毎に対処していくことになります。

1.習慣の種まき期

なりたい自分をイメージし、どんな習慣化に取り決めたいかを考える時期。新しい習慣を身に着けようと”自分で決める”ことで自尊感情が芽生える。

2.習慣の反発期

現状維持を求める本能が、新しい習慣づけに反発する時期。ここで揺れる思いに対し、ありのままの自分を受け入れる自己受容感で受け止める。

3.習慣の忍耐期

油断すると途切れそうになる習慣を、なんとか持続させる時期。「自分にはできる」と思える自己効力感をみたすことで乗り切るエネルギーにする。

4.習慣の成長期

無意識のうちに習慣化できていることもあれば、しんどく感じることもある日。モヤモヤを感じる停滞期であり、乗り越えるには自分を信じる自己信頼感が大事。

5.習慣の開花期

習慣が定着し、無意識に取り組めるようになる時期。自分で習慣をコントロールできた、と感じることで自己決定感が高まっていく。

6.習慣の達成期

定着した習慣がもとめていた成果をもたらしてくれる時期。次に取り組む習慣を探し求めるじきでもある。得た成果や周囲に役立っているという感覚で自己有用感が満たされ、次に踏み出すエネルギーが得られる。

本書の構成

ここまで、本書を構成する自己肯定感について長々と書いてきたが、ここで本書の構成を記載しようと思います。

この本は4章仕立てで、第1章では、習慣を作る上で理解しておきたい前提の知識が書かれています。

第2章では上述6ステップの説明に加え、それぞれの時期に有用なマインドセットの方法について説明してくれています。

第3章では有用な習慣化の例として、朝のルーティンを紹介しています。

第4章では自己肯定感を高めるための様々なメソッドが書かれています。

まとめ

自己肯定感の段階や高め方、それを高めることで達成していく習慣化のステップを詳細に教えてくれる本書はとても有用なマインドセットの本です。単なる段階の例示にととまらず、それを達成するための心理学的テクニックも書かれているので、読んだその日から始められる、読者に優しい本といえます。

この本の作者は、心身の体調を崩し、10年間外にでることができなかったそうです。そんな中、心理学や心理療法を独学し、自身に試し続けることで、外に出るという習慣化を行い、徐々に行動範囲を広げ、自由に移動できるようになったそうです。

つまり、この本に記載されていることは、作者の実体験をもとにしたメソッドであり、それゆえ説得力にあふれた内容になっています。

皆さんも、習慣をつけたい、でも上手くいかないということがあれば、是非この本を手に取っていただき、自己肯定感を高め習慣化を達成していただければいいなと思います。

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