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転職体験記(職務経験監査のみ、30前半の場合)

皆様は転職について考えたことはございますでしょうか。

私も今年7月より転職をさせていただきます。

監査法人勤めの会計士の場合、5年後の転職率が50%以上ということもあり、

会計士で転職を考えておられる、という方は案外多いのではないでしょうか。

そういった方に微力ながら参考になれればと思い、私自身の転職体験を記載していこうと思います。

転職のきっかけとスタート

私は元々独立志望だったため、いつかは監査法人を転職し、税理士法人といったところに転職しようと思っておりました。

ある程度漠然と考えていたのですが、強いきっかけとなったのが、同期に昇進で置いていかれたことが原因でした。

特に評価も低くなく、公認会計士の資格も取れたにも関わらず、昇進ができなかったのです。

上の人間にも確認しましたが、曖昧な返答をされるばかり。そのくせ、業務内容は同期(昇進済み)と同じ量をまかされることになり、正直やっていられないな、というのが本音でした。

これが直接的に”今”転職をすることのきっかけとなりました。

これを読んでいる方の中には、職場で理不尽な目にあい、もうやっていられない、と思っている方も多いのではないでしょうか?

そうした負のエネルギーを活用して転職するのも全然ありだと思います。

転職活動には一定のエネルギーが必要となるため、モチベーションが必要になります。

そうしたモチベーションとして、今の職場ではやっていられない、という想いも活用できるのでは、と思います。

ところで、私は仕事をしながら転職活動をしたのですが、リスク管理の観点からも、仕事をしながらの転職活動をおススメします。

というのも、職が無く、無収入の状態だとどうしても気持ちに焦りが生じて、つい妥協した選択をしてしまう可能性が高くなるからです。

転職活動の場合、ご自身の能力も重要なのですが、たまたまそのタイミングで企業が求めている人材だった、というタイミングも重要になるため、転職活動期間を広く取ることを想定し、3か月程の時間をかけて転職活動をするのがよいと思われます。

仮に良い条件の職場に内定をもらえなかった場合は、更に転職活動期間を延ばすことも検討に入れましょう。仕事をしながらの転職活動であれば、期間を延ばすことに収入面での問題はないため、柔軟に活動期間を変えることができます。

変に妥協をして後で後悔することの無いようにしましょう。

転職を始めるにあたって

転職を始めるにあたって、何を目的に転職を開始するのか、明確にしておいた方がいいでしょう。

私の場合、独立目的で転職をする旨を、転職エージェント様との最初の話し合いの時に正直に伝えました。

転職エージェント様はさすが手慣れていて「そうした場合は中小規模の法人の方が独立にマッチする、また、税務だけではなく、FASを体験して独立に活かすという手もあります」というアドバイスをいただきました。

独立方法は税務でしか考えていなかったため、FASを独立に活かす、というアイディアは無く、目から鱗な話でした。

こうしたアドバイスももらえることから、自分が転職をする目的を明確にして、それをエージェント様に正直に伝える方が、転職活動は上手くいきやすいです。

転職活動の流れ

転職活動をするにあたって、まず書類審査、それから面接となるのが一般的になります。

意外とこの書類審査で結構落ちることがあります。

履歴書と職務経歴書はしっかりと作り込みましょう。

転職エージェント様がそうした書類に添削を入れてくれるので、何度か修正するつもりで作成しましょう。目安としては1か月くらいかかるかと思います。

そして、実際に書類審査から面接となります。

面接で聞かれることとしては以下が多いです。

・何故今転職するのか

・うちの法人を応募した理由はなにか(中小法人だと、特に多く聞かれます。中小法人にくる会計士は転職目的が多く、向こうもそれはわかっているからです。転職目的以外の理由を作り込んでおきましょう。)

・やりたい業務は主に何か

・やりたい業務の理解はどれくらいか

・簡単にそれまでの経歴を自己紹介

事前に会社のホームページを一読することと、転職エージェント様のアドバイスを基に、企業調査はちゃんとやっておきましょう。

転職エージェント様は、応募先会社の業界での特徴や立ち位置についてかなり把握しているため、参考になります。

また、「何がやりたいのかよくわからない」という印象を与えてしまうと、面接はほぼほぼ失敗のため、自分のやりたい業務を具体化する、というのも大事な作業です。

転職活動はタイミング

転職活動はタイミングが大事です。

私は主に、税務およびFASの領域の仕事ができる中堅コンサル、税理士法人に応募しました。

意外だったのが、結構落ちるということです。

私が税務・FAS業務未経験、かつ30代前半ということが影響したのかな、と思いますが、8社中2社のみ合格できました。

というのも、やはり中途採用になると、その時欲しいと企業が思っている人材を1,2人程度採用する、という狭き門になるからです。

これは会計士という資格をもっていても変わりません。

”今回は、同時期に応募してきた経験者を優先する”、”今、会計士は間に合っていて税理士が欲しい”、”年齢がもっと若い人が欲しい”といった理由で、平気で落ちます。

私が求職していた分野がニッチだという事情のあるかもしれませんが、「公認会計士だから転職は楽勝だろう」という見積もりは捨てましょう。

また、どれだけ応募書類をつくりこみ、面接を雰囲気よく終わらせられたと実感したとしても、落ちる時は落ちます。

ダメだったからといって落ち込むことなく、メンタルを保ちながら活動を続けることが大事です。

大事なのは、体調とメンタル管理

転職活動は狭き門だということは説明いたしました。

そのため、何社も落ちて、精神的に落ち込みがちになってしまいます。

また、面接はどうしても普段やることとは違った活動で、かなり緊張するため、体力・精神力を相当程度消耗します。

働きながらだと、疲労は更にたまりやすいです。

ただでさえ、それなりの期間、転職活動することを想定して動くわけですから、しっかりと休み、転職活動に耐えられるように体調を整えておきましょう。

まとめ

中途採用は狭き門です。また、経験の有無というのはやはり大きいです。

そのため、会計士だから転職は楽勝だろう、という考えを捨て、メンタルを強くもって転職活動に臨むことが重要となってきます。

昨今ますます監査業務の手続きは増えており、ひたすら増加する業務に疲れ切ってしまうことがあるでしょう。また、パートナーへの道がひたすらに狭く、このまま勤めていて、出世できるのか、という疑問もあるでしょう。

私は、そういった不満があるのであれば、早いうちに転職してしまうのもありだと思っています。

その業務を経験したことが有るか否か、というだけで、後のキャリア選択は天と地ほどの差がついてきます。

そうした経験値を積むうえでも、転職について前向きに考えてみるのはいかがでしょうか。

それでは、また

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