皆さんこんにちは
前回、前々回で投資信託とその買い方について説明してきました。
本日は交付目論見書について解説していきます。
交付目論見書とは、購入しようとしている投資信託ついて、投資判断に必要な重要事項を説明をした書類のことです。
交付目論見書には購入しようとしている投資信託の重要な情報が記載されていますので、購入前に必ず確認しましょう。
とは言え、いったいどこを見ればいいのかわからないと思います。
そこで今回は、交付目論見書の見方について解説していきたいと思います。
目次
交付目論見書の目次
交付目論見書はだいたい同じ形式で記載されています。
ですのでその目次について解説していこうと思います。
①ファンドの目的、特色。
→どんな投資信託で、どこの国の何に投資しているか
②投資のリスク
→どんな値動き要因があるか。知っておくべきリスク
③運用実績
→過去のリターン。どれくらい資金が集まっているか。
④手続、手数料等
→手数料はいくらか
どこの国の何に投資しているか
表紙でどこの国に投資をしているかわかります。
ノーロードと書かれていたら、購入時の手数料がかからない商品です。
ここでは債券なのか株式なのかに着目しましょう。
債券とは借金のことであり、比較的ローリターンローリスクです。一方で株式は値動きが大きく、どちらかと言えばハイリスクハイリターンです。
このセクションでは投資している国と、どういった会社の株式・または債券に投資しているかわかりますので、そこを確認しましょう。
インデックスファンドかどうかも書かれています。
インデックスファンドとは特定の指数(平均点)との連動を目指すものであり、アクティブファンドとは指数を上回る成果を目指すものです。
指数とは平均と同じであり、色々な会社の株式を平均したものです。
例えばインデックスファンドであるeMAXIS Slim米国株式(S&P500)でしたら、アメリカの代表的な株式指数に連動しています。
これは、交付目論見書の”ファンドの特色・目的”のところに記載されています。
そのほか為替ヘッジはあるか、というところも記載されています。
円安円高、という言葉は聞いたことがあると思います。
あらかじめ一定の額で円と外国通貨(例えばドル)を交換しますよ、と予約しておくことを為替ヘッジと言います。
為替ヘッジは手数料がかかるので、円高円安の損益の幅が小さくなります。
最初は為替ヘッジがあるかどうかを確認し、無しでも大丈夫です。
投資のリスク
投資の世界では、投資商品の値動きのことをリスクといいます。
危険性、ということではないので注意してください。
リスクが高い→価格の変動が激しい、です。
目論見書には想定される主なリスクが書かれています。
例えば例として、
・株価の変動リスク(投資する企業の価格下落リスク)
・為替リスク(為替相場が円安になると損をするリスク)
・信用リスク(投資する企業が倒産するリスク等)
・流動性リスク(企業が不祥事を起こした等で株式の売買が極端に少なくなり、希望する価格通りに売れないリスク)
投資のリスクは何があるかきちんと知っておきましょう。
運用実績
運用実績は基準価格と純資産を見ましょう。
基準価格→投資信託自体の価格(買った時より値上がりすれば利益となります)
純資産→どれだけ資金が集まっているか(人気銘柄なら右肩上がりになります。)
基準価格は長い目で、過去数年分を遡ってみるのが大事です。
基準価格は1口もしくは1万口当たりの価格で1日1回算出されます。
基準価格が1年で10,000から10,500になっていたら、年間のリターンは5%となります。
この基準価格がひたすら下がっているものは要注意です。
なので、基準価格は数年分しっかりみましょう。
純資産は投資信託の規模です。
基準価格=純資産価格÷口数という計算式のイメージです。
人気の投資信託は純資産が増えます。
ここで、分配金というものがあります。
企業の配当金や値上がり益から出るお金のことですが、この分配金は投資信託の純資産から出ます。
つまり分配金がでると、基準価格も減る、ということです。
まとめると、基準価格と純資産総額は必ずチェックしましょう。下がり続けていたら要注意です。
手続・手数料等
投資信託には手数料があります。
大きくわけて4つで
①購入時手数料
②信託財産留保額
③信託報酬
④隠れコスト
①~③は目論見書に料率が記載されています。
④の隠れコストに関しては、実際の運用後、運用報告書でチェックできます。
購入時手数料→購入時に支払う手数料です。ノーロードは無料
信託財産留保額→投資信託を解約する際に支払う手数料です。
信託報酬→運用会社などに運用期間中払い続ける手数料です。
これらは全て、交付目論見書の”ファンドの費用・税金”というところに書かれています。
信託報酬は投資信託の運用期間中、毎年かかってくるコストなので安いほうがいいです。
税金は分配分と換金(解約)時および償還時にかかってきます。
この税金を払わなくていいのがNISA制度です。
したがって、基本はNISA、積立NISA口座から使うのがいいです。
信託期間と繰上償還というのも記載されています。
信託期間とは、投資信託の運用期間のことです。
繰上償還(強制終了)というのもあるので確認しておきましょう。
まとめ
目論見書の中には難しすぎるものもあります。
複雑な投資信託になってくると、目論見書の内容も難解になっていきます。
パッとみてわからないものには投資しない方がベターです。
シンプルでわかりやすいのがいい商品です。
ここまでわかれば目論見書の見方は大丈夫だと思います。
投資は自己責任の世界なので、誰かから投資信託商品をすすめられても、必ず目論見書をみて確認してください。
確認項目は、ここまでで説明した通りになります。
それでは、また