今回は度々話題にあがるライフハックについて、網羅的に書かれた一冊をご紹介いたします。
目次
ライフハックの原理原則
この本はある原理原則に基づいて、様々なライフハック法を紹介しています。
ここで言う原理原則とは
原理→ライフハックとは、人生に長い目でみて変化をもたらすような、小さな行動
原則→ライフハックは、何度の繰り返し適用しつつ、効果を測定して調整することで長い目でみた変化を導く
ということです。一つ一つは小さな行動でも、それを繰り返すことで、長期的に大きな差異を生み出すのがライフハックです。
この原則を基に、本書では様々なライフハックの技を紹介しています。基本的に、下記の2つに該当します。
①時間の使い方を極端にしてみる
②目に触れる情報をマニアックにしてみる
これは要約すると、平均的な行動を意識的に極端にしてみる考え方になります。
様々な原則
本書では、上記原理原則に従い、それに連なる様々な原則があります。
それでは、本書で紹介されている原則をいくつか紹介したいと思います
①時間管理とは、どれだけ忙しくできるかではなく、与えられた状況のなかで能動的な選択の自由をどれだけ生み出せるかのスキルである。
②時間の進み方も、その内容も一様ではない。私たちはやるべきこと、向かうべき方向に向けて時間の使い方を傾斜させるようにしなければならない
パレートの法則をご存じでしょうか。これは、さまざまな現象に関する偏りがあるというもので、たとえば80%の利益は20%の顧客が生み出している。仕事の成果の80%は全体の20%の作業部分から生み出しているといった偏りです。
この法則にのっとり、時間の使い方に傾斜を設けるというのが上記の原則です。
つまり、重要なことに絞って時間を集中的に使うことになります。
しかし、重要なことだけを実行するのは言うほど簡単ではありません。どこが大きな成果を生み出す重要な部分なのかを、事前に完璧に予想することは困難だからです。
③何が重要かはあらかじめ予想できない。そこで、方向性を見誤らないように注意しつつ、時間の使い方は可能性に開かれているように意識する
具体的にどういうことかというと、例えば
・テレビを見る時間を他の目的ある行動に置き換えてみる。
・SNSを閲覧するだけの時間を限定し、逆にSNSで優良なコンテンツを生み出すよう活動を切り替えてみる、といったことです。
これらは自身の時間を開放し、自由な時間を作ることです。
この方法として、例えばスマートフォンの時間トラッキング機能で時間の使い方を可視化する、というものがあります。
他に、予定時間を1時間単位ではなく30分単位で設定することで時間の解像度を高めて行動する、といったことも効果的です。
また、プランニングの誤謬を意識する、というものもあります。
プランニングの誤謬とは、未来にどれだけ時間がかかるのかについて想定するとき、私たちは一貫して楽観的な方向に間違える傾向がある、ということです。
どういうことかというと、とある大学で行われた実験では、学位論文を書くのにどれだけの時間が必要かを問われた学生たちは平均して33.9日、最悪を想定しても平均48.6日で完成すると答えたのに対し、実際にかかった時間は平均55.5日と大きなずれが生じました。
このプランニングの誤謬を理解して、時間の見積もりをできるだけ正確に行ってから、その時間を2倍にしてみる、という方法があります。
また、過去にその仕事がどれだけ想定以上に時間がかかったかのデータがあるならその過去のデータも参考になるでしょう。そのデータにより、「作業自体を簡単化してへらさない限り、過去の記録以上に早く完了するのは不可能だ」といった想定が成り立つので、それに基づいてプランニングを行います。
まとめ
今回紹介したライフハックは本の触り部分だけです。本書では、
・時間を生み出すライフハック
・行動に結びつくタスク管理
・集中力と先送り防止
・ツールと人生の仕組化
・読書と情報整理
・学びとアウトプット
・仕事と生活の環境構築
・心を守るためのメンタルハック
・人生をハックする習慣術
と、日々の習慣に関するものや、インプット・アウトプットの仕方、果てはメンタル管理にいたるまで、多様なライフハックが記載されています。
紹介されているライフハックにはそれぞれ、その考えの基となる研究結果があり、理論的な文章で構成されています。
各ライフハックに対応したツールやガジェットの紹介といったこともされています。例えば、紙の書類はすべてデジタル化することを進めており、そのためにScanSnapといったドキュメントスキャナーを紹介しています。
他には例えば、音声入力で、歩いている途中でも文章が書ける方法として、Rimo VoiceやNottaといった文字起こしをするサービスを紹介しています。
こういった役立つ知識が満載されている本書ですが、結局のところ、一つ一つは小さな行動でも、それを繰り返すことで、長期的に大きな差異を生み出す、という考え方を基本にしています。
日々の生き方に小さな工夫を加えていくことで、長期的に大きな効果がでるというのは魅力的な考えではないでしょうか。
それでは、また。