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売上増の落とし穴。経理が辞めていく理由

皆様こんにちは。

売上が順調に伸びていっている中で、経理の人間がすぐに辞める、中々定着しないといったことがあり得ます。

今回はそうした状態になる原因と、その解消法について述べていきます。

売上規模が大きくなると起こること

請求書の管理

まず、売上げた相手への請求書の作成、郵送という業務が増加します。

単純作業ですが、売上規模が大きくなればなるほど毎月のこの業務が増加し、経理の負担が大きくなっていきます。

また、請求書を送る相手をエクセルで管理している場合、売上先が増加するにつれ、どんどんと負担が増していきます。

エクセルによる手作業の集計が大きくなればなるほど、集計の付け間違いなど人的ミスが多くなっていきます。

売上の分割計上の管理

例えばサブスクビジネスで、12か月分の料金を前払いで受け取るといった場合、売上を毎月案分して計算しなければなりません。

1件2件であれば対した手間に感じないような作業ですが、取引先が増え、何十件、何百件と取引先が増加するにつれて、業務負荷がどんどんと増加していきます。

前受金の計上と取り崩し

上記で説明したようなサブスクビジネスや、料金前払い制のビジネスをする場合、まず料金を受け取った段階で前受金に計上します。

それを、対応する月毎に取り崩し、売上を計上していくというのが経理の流れになります。

この前受金の計上と取り崩し業務も、手作業でやっているとどんどんと負担が増加する要因になります。

入金の消込管理

入金がまだのものについては、経理上、" 売掛金 " といった項目で計上しておきます。

請求書を送り、入金がされた時点でこの売掛金を消し込んでいく作業が必要になります。

こちらも売上規模が大きくなるにつれ負担が増加します。

それだけではなく、例えば1つの売上に対し複数の請求書で入金がされる場合もあり、それをいちいち集計して、入金したものから売掛金を消し込んでいく手間があります。

この消込作業というのは複雑になりやすく、経理の時間を大幅に使います。

相当な負担になる部分です。

計上ミスで起こる税務リスク

売上先が増えていくにつれ、売上計上の記帳がどんどんと負担になってきます。

そうした状態ですと、売上に計上すべきものを見落としたり、計上した金額を間違えるといった人的ミスが発生しやすくなります。

税務的に計上しなければいけない売上が漏れていたことが発覚し、税務調査で追徴課税を喰らうといった事態になりかねません。

売上が増えるにつれ、このリスクは増大していきます。

経理マンの心理

ここまで、売上が増加していくにつれて起こる業務の増加と、経理の負担について述べてきました。

ではそういった状態になっていく場合、経理はどういった心理になっていくか、一例をご紹介いたします。

売上増を目指す会社と負担が増えるのを嫌う経理

ここまで売上が増加するにつれて、経理の負担が増えることを述べてきました。

大抵の経理は売上についてノルマを持たされていることは少ないでしょう。

そういった負担だけが増えていく状態では経理はどう感じるでしょうか。

会社として売上規模を増やしていきたいというのは自然な心理だと思います。

しかし、経理にすれば売上が増えるにつれて処理負担が増えるわけなので、会社の意向はわかりつつも、内心売上がどんどん増えていく状況を苦々しく思っている場合もあります。

そうなると会社の方向性と経理の気持ちにミスマッチが生じ、経理が他の部署とどんどん話が合わなくなっていき、孤立感を感じる場合があり得ます。

そうした孤立感ができてくると、今の経理業務を続けていくのがどんどんしんどくなり、離職の可能性が高まります。

売上増加によるプレッシャーの増加

先ほども述べた通り、経理は売上が増えるほど計上や売掛金の消込等で負担が増大していきます。

また、売上が増えるにつれ発生する税金も大きくなってくるので、売上計上を間違って税金計算が狂うと大変なことになる、というプレッシャーが増大していきます。

当然そうならないように経理は細心の注意を払って業務を行うでしょうが、間違ってはいけないというプレッシャーがどんどんと増大していきます。

こうしたプレッシャーの増加も、経理が辞めていく原因になるでしょう。

残業や長時間勤務が常態化

売上が増える毎に経理の負担が増えるということは再三述べました。

業務増になると、どうしてもそれを処理するのにどんどんと時間がかかっていきます。

そうなっていくと業務を定時で終わらせることが困難になっていき、残業で対処しないといけない、という場面が多くなっていきます。

会社は基本的に売上をどんどん増やしていきたいものですので、残業は減るどころか増えていく一方になります。

こうして、どんどんと業務に終わりが見えなくなっていき、経理の負担が加速度的に増加していきます。

そうなると、経理を続けるのがどんどんしんどくなっていって、辞めてしまうリスクが増えていきます。

経理が辞めないようにする対応策

ここまで、売上が増加するにつれて、経理が辞めやすくなっていく理由を述べさせていただきました。

では、どうすれば経理が辞めないようにできるのでしょうか。

その方策について、述べていきます。

経理の人員を増やす

まず単純ですが、直接的に効果がある施策として、売上増に伴い経理の人員を増やすことがあげられます。

経理メンバーが1人増加しただけでも、作業の分担により経理1人々々の負担がぐっと減ります。

また経理人員を手厚くすることで、会社が経理のことをちゃんと考えてくれている、というメッセージを経理の人間に伝えることにも繋がります。

経理の人間に現状の業務負担をヒアリングし、必要だなとおもったら、適切に人員を増やしていくのが望ましいです。

しかし、人を増やすというのは人件費の増加を意味するため、躊躇してしますといったこともよくあると思います。

雇った人員が仮に能力的に足りない人でも、一度雇うと簡単には止めさせれられない上、経理の適正がちゃんとある人員を見抜いて雇うのも難しいのが現状です。

今、経理人員は基本的に人手不足の状態が続いています。

簿記は専門知識で難しい上、優秀な人材ほど待遇のより良い大手企業の経理にいってしまうため、良い人材をみつけて採用までこぎつけるのはかなり大変な状態です。

さらに、経理は基本バックオフィス業務で会社の売上に結びつかないため(※補足:事業計画や売上管理を経理がきちんとやっていると、会社の売上は本来伸びやすくなるものです)、中々採用することが難しい、という経営サイドの気持ちもあるでしょう

管理ソフトの導入

そこでおススメなのが、請求管理ソフトの導入です。

エクセルでの手作業から、請求管理ソフトを導入することで、かなりの業務を自動化、省力化することができます。

例えば、請求書を自動で作成し、相手先に送るところまで管理ソフトではできます。

手作業で請求書に押印し、封をして発送するといった事務作業から経理が解放されます。

定期的に起こる入金消込も、数値さえ入れれば管理ソフトが自動でやってくれます。

請求書が複数枚に渡る場合でも、ソフト側で自動的に集計、消込をやってくれるので、手作業での管理に比べ大幅に手間が減ります。

先ほど述べたような、売掛金や前受金の管理についても、管理ソフトによる一覧管理が可能です。

こういった自動集計がされることにより、売上計上についても楽に把握することができるため、売上計上ミスも起こりにくく、経理の心理的なプレッシャーの解消に繋がるでしょう。

請求管理ソフトの導入にはコストがかかるものですが、人1人を新たに雇う場合に比べれば安上がりですし、人員を探す手間も省けます。

また、基本料金無料の管理ソフトというのもあります。

下記にリンクを貼っておきますので、よろしければご覧ください。

ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。

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