皆様こんにちは。
皆様は保険にはいっているでしょうか。
保険については、いるのかいらないのか、人によって意見が変わると思います。
そこで各保険が必要かどうかについて、個別に検討していきます。
目次
そもそも保険は何のために入るの?
保険とは、もしもの時の備えのために入るものです。
調べると、“滅多に起こらないが、もし起こると個人では用意できないお金”を得るための仕組みである、という意見がございました。
この理屈でいくと、自分で貯蓄や投資をきちんとできているのなら、ほとんどの保険は必要ないということになるのかなと思います。
保険に入るのは、次の3つの条件を全て満たしている場合のみ、と考えるのがいいです。
①滅多に起こらないこと
②でも、もし起こったら到底自分の蓄えではまかなえないこと
③そして、それがいつ起きるかわからないこと
この観点で、それぞれの保険を検討していきます。
生命保険
それではさっそく、生命保険から検討していきましょう。
日本人の生命保険の加入率は8割と言われています。
大多数の日本人が加入している生命保険ですが、まず結論から言うと、あまり必要がないのではないか、というのが私の意見です。
というのも、社会保険に加入していれば、かなり手厚い補償が受けられるからです。
病気やケガで医療費が発生しても、多くの場合、自己負担は最大でもかかった医療費の3割ですみます。
さらに、病気リスクが高まる75歳以上の方の負担は1割になります。
病気リスクの高い人ほど、病気治療の負担が少なくて済むのです。
さらに治療費が一定額を超えれば高額療養費制度が利用可能です。
「高額療養費制度」は保険適用の医療費の自己負担額を一定限度に抑える仕組みです。
けがや病気で働けなくなった場合でも、日本には傷病手当金の制度があります。
これは、病気やケガで収入が無くなった場合に、給料の3分の2に相当する額が約1年6か月にわたって支給される仕組みです。
さらに、日本には遺族年金という制度もあります。
配偶者が死亡、高度障がい状態となった時も一定額までは国から補償を受けられます。(ただし子供のいない個人事業主は遺族年金がもらえません)
こうした制度があるため、共働きである程度の収入・貯蓄がある家庭であれば、社会保険の保証を考えるとあまり生命保険は必要ないかもしれません。
では生命保険に向いている人というのはどんな人なのでしょうか。
例えば扶養家族がいる場合。
家庭の大黒柱が亡くなってしまうと、残された家族の生活が困窮してしまうため、生命保険に入る意義があると言えます。
また、貯蓄が十分に無い場合や、入院が長期化した場合の日常生活費や食事代、収入の減少に備えるという意味でも生命保険は有効でしょう。
生命保険のメリットとして、加入していると、生命保険料控除で税金が安くなります。
最大控除額は所得税12万円。住民税は7万円です。
ただし、生命保険に入るにしても掛け捨て型で十分です。貯蓄型にしたり無駄な特約を付けたりするほど資金効率が悪くなるからです。
一方、ガン保険というものもありますね。
上述した通り、医療費は一定程度、社会保険で補償してくれます。
なので、十分な貯蓄があればガン保険も必要ないとも考えられますが、長期療養になった場合の治療費を確保する、という想定で加入しておくのは悪くないでしょう。
ガンの治療は、通院で放射線治療や抗がん剤治療などを受けるケースが増えてきています。
高額療養費制度があるとはいえ、治療が長期にわたる場合はそれだけ出費が多くなるからです。
学資保険
学資保険とは、生命保険会社が販売している、子どもの学費を貯めるための保険です。
子どもが一定の年齢になったときに、「祝い金」、「満期金」という名目でまとまった額の給付金を受け取ることができます。
お金を貯めることに特化した「貯蓄型」タイプと、「保障型」タイプがあります。保障型は子どもがケガや病気で入院・通院した場合、死亡した場合を保障する特約をつけられます。
ただし、保障分の保険料が上乗せになるために、解約時、もしくは満期を迎えたときに受け取る保険金が支払った額よりも少ないのが一般的です。
万一契約者(親)の死亡や、高度障害状態になって学資保険が支払い不能となった場合、月々の支払いが免除となる「払込免除特約」が一般的についています。
満期時の保険金は契約時の満額がきちんと保証されるため、子どもの進学を諦めさせることはありません。
では、そんな学資保険のメリットデメリットは何でしょうか。
メリットとしては、税金の生命保険料控除のうち「一般生命保険料」に該当するので、節税になります。
また、親が亡くなった場合は保険料の支払いが免除され、保険金は満額がでることもメリットといえるでしょう。
デメリットとしては、原則として学資保険は満期まで、積み立てた保険料を引き出すことができません。
途中で解約すると、それまでに支払った保険料の合計よりも、解約返戻金のほうが少ない場合があります。
また、学資保険を支払っても、お金は全然増えません。自分で投資した方が吉です。
例えば日本生命の「ニッセイ学資保険」積立額2,883,600円で3,000,000円もらえます。
なので約12万円増える計算なのですが、年利にすると0.44%程度しか増えていないことになります。
更に、インフレに弱いです。物価が上昇するインフレ局面では相対的にお金の価値が下がりますが、学資保険の受取金額が増えることはありません。
学費や1人暮らしの家賃、生活費が増加しても、学資保険の受け取る金額は変わらないので、そうした物価上昇に対応できていないということです。
以上メリット・デメリットを比べると、わざわざ保険を積まずに自分で投資して増やした方が、着実にお金を増やしていけると思います。
個人年金保険
加入せずに、NISAやiDeCoに投資しましょう。以上。
・・・これでは話が進まないので、その訳を説明します。
個人年金保険に加入をすすめない理由としては、まず利回りの低さです。
個人年金保険というのは、保険会社に投資をお願いして、保険料よりも受け取る金額が増えるという仕組みです。
保険会社に委託しているので、当然手数料がかかってきます。
この手数料分が引かれるので、自分で投資した方が利回りがよくなります。
投資するのが怖い・・・という人はかなりいるとは思います。
しかし、上で説明した通り、個人年金保険も結局投資をしています。
保険会社に投資を任せているだけなのですね。
ここで、個人年金保険の中の貯蓄型保険(積立保険)について説明します。
これは「保険」と「投資」がセットになったものですが、保険料が高い割にはパフォーマンスの悪い商品です。
投資機能については、先ほど説明したとおり利回りが低すぎて、とても投資とは呼べない代物です。
また、保険機能については月額掛金の割に保障内容が薄いため、本来の保険の役割である「万が一に備えた手厚い保障」にする場合、保険料がかなり割高になります。
結局どっちつかずで中途半端になりがちです。
節税効果はあるのですが、個人年金保険料控除には上限があるため、年間支払い保険料8万円(6666円/月)で控除額は頭打ちになります。
一方iDeCoなら、支払った分が全額控除対象になります。
したがって、投資の利回りや節税効果まで考えた場合でも、NISAやiDeCoの方が効率がいいのです。
火災保険と地震保険
火災保険はマイホームを購入された方には必須の保険と言っていいと思います。
というのも、日本は法律上、隣家で火事が起こって自宅に延焼した場合に、損害賠償等の補償が一切ないからです。
保険に入っていないと、マイホームのローン+火災の修繕費という2重苦を味わうはめになります。
よって、火災保険は必須です。
ただし、火災保険では地震と津波の場合は補償されません。
別途地震保険に入る必要があります。
この地震保険というのは単独で加入することはできず、火災保険とセットで入る必要があります。
地震保険は2020年時点の東京での加入率が37.7%とかなり低いものの、地震大国の日本ですし、関東大震災が50年以内にくると度々言われています。
個人的には地震保険も必ず入っておいた方がいいかと思います。
地震保険でもらえる額は、いっしょに加入している火災保険の保険金額の30%~50%まで かつ 建物5000万円まで、家財1000万円までです。
ただし、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、通貨、有価証券(小切手、株券、商品券等)、預貯金証書、印紙、切手、自動車等は補償の対象外。
建物が全壊したとして、地震保険だけで建物を元通りに再建することは難しいのですが、頭金の支払いなどで貯蓄に余裕が無いところに、ある程度まとまったお金を手に入れられることは大変心強いです。
地震保険は建物を元通りに建て直す目的ではなく、生活再建のための一時金と位置づけし、加入を検討されるのが良いでしょう。
自動車保険
こちらも加入必須級の保険だと思います。
特に重要なのは対人・対物の賠償保険。
死亡事故なんて自分が運転していて滅多に起こることではないでしょうが、もし起こしてしまったら何億円もの賠償になるケースもあります。
そんな時、とても自分では払いきれません。
しかもどんなに気を付けていても運転している限り、それはいつ起きてもおかしくはありません。
そういったリスクを伴って運転を行っているわけですから、対人・対物賠償の自動車保険には必ず入っておくのがいいと思います。
ただし、車両保険は微妙です。
例えば自動車をこすってしまって修理が必要というような場合、その修理費なら自分で賄えることがほとんどだからです。
あくまで自分では負担しきれない金額に対して保険をかけておくべきです。
まとめ
ここまでで、生命保険・ガン保険・学資年金保険・個人年金保険・火災保険・地震保険・自動車保険と7つの保険について説明してまいりました。
最初の方で述べた通り、保険は下記3要件を満たしたもののみにかけるべきです。
①滅多に起こらないこと
②でも、もし起こったら到底自分の蓄えではまかなえないこと
③そして、それがいつ起きるかわからないこと
まとめますと、以下になります。
生命保険→社会保険の補償が手厚いので、必須ではない。扶養している家族がいる人や、貯蓄があまりない人は検討してもいい
がん保険→がんの治療が長期に渡るリスクが怖い人は検討してもいい
学資年金保険→おすすめしない。自分で投資運用した方が資金効率がいい。周囲の「学資保険に入った方がいいよ」という声は全て聞き流していい
個人年金保険→加入は止めるべき。こちらも自分で投資運用した方がはるかに資金効率がいい。加入しているなら、早めに解約して傷が浅いうちに清算した方がいい。
火災保険、地震保険→マイホームを持っているなら必須。ローンと修繕費の2重苦を避けたいなら加入すべき。個人的に生命保険の加入率が8割もあるのに地震保険の加入率が3割程度なのが謎。
自動車保険→運転するなら必須。万が一事故を起こした時の賠償額は数千、数億円になってしまう場合もあり、自分では払えない可能性がかなりあるから。
といったところです。
加入必須→火災保険、地震保険、自動車保険
要検討→生命保険、ガン保険
不要→学資保険、個人年金保険
というのが私個人の見解になります。
保険料というのは毎月家計を圧迫するものです。
ですので、どの保険に入って、どの保険に入らないかは、ぜひとも慎重にお考え下さい。
それでは、また。