会計士受験生・補修所生向け

会計士補修所の乗り切り方(修了考査含む)

皆様こんにちは。本日は会計士論文式試験までを無事合格し、会計士補修所に通われている方向けの内容となっております。

10回の考査について

恐らく補修所生の皆様が一番興味のある題材だと思われますので、これを最初に書きます。

現在J1の皆様は考査3回目まで終わっていると思われます。

できはいかがだったでしょうか。

私の受験したころは、問題改定の過渡期であり、過去問中心の内容と、新しい論点がちょうど交じり合った時期で、基本的には考査の過去問をこなしていれば6割の点数を獲得することができました。

現在の考査がどうなっているかはわからないのですが、それでも過去問を中心に勉強をするのが、勉強効率としては良いでしょう。したがって、過去問は必ず入手してください。

入手方法としては、

①同期の人からもらう

②補修所のディスカッションやゼミナールで知り合った人にお願いして入手

③会社の先輩からもらう

といった方法が考えられます。

考査を受ける方はほとんどが働きながら試験勉強をすると思われます。また、考査の試験範囲に該当するテキストは相当に分量が多く、過去問を使用しないでの勉強は相当の苦行になると思われますので、この入手はやはり必要です。

また、試験該当科目の講義は必ず受けておき、試験に出される箇所の見極めをすることが大事です。授業中に集中して扱われた論点が考査でそのままでた、ということは珍しくありません。

考査や、これから説明する課題研究に関しても、働きながらいかに効率よく乗り切っていくかが勝負なので、要領よく勉強をしていきたいです。

また、考査点数が6割を下回ってしまった場合、必ず追試験を受けて6割以上の得点を確保しましょう。

考査の必要単位の都合上、考査点数は平均6割以上が求められるわけですが、考査で7割以上の得点を獲得しようとすると、6割確保する場合に比べて途端に難易度が上がります。また、会計士として年次が上がるにつれて、仕事の忙しさは加速度的に増えていくでしょうから、新しい試験で7割以上というのは難しくなります。

追試験の難易度は、本考査とあまり変わりありませんので、本考査の問題+過去問を中心に勉強すれば、比較的6割以上の得点は取りやすいといえます。

課題研究について

課題研究についても、要領のよさが求められます。

必要得点数6割に至るためには、下記の点に注意してレポートを書くことが必要です。

①テーマの趣旨を理解する(何を書けばいいのかを間違えない。)

→ここを間違えてしまうと、どれだけ書いても点数が伸びません

②誤字脱字、引用漏れを無くす(最重要)

→なぜこれが最重要かというと、課題研究は内容がきちんとテーマに基づいていることを前提とした場合、こうした誤字脱字や引用記載もれをチェックしての減点方式となっているからです。

③接続後の使い方に注意する

→しかし~の後は逆説の分。そして~は順接の分、なお~は補足の分、といったように、接続肢を使った後の文章の整合性に注意する。

これは会計士論文式試験を突破してきた皆様なら身についている能力と思われますので、論文式試験での記述感覚を忘れないようにしましょう。

以上①~③をきちんと守って書けば、6割以上の点数は確保できると思われます。

なぜなら、論文自体の内容で優劣を決めるのは、採点者側からしても難しい作業になるため、引用漏れ等、形式的な分かりやすい部分で差をつけてくるからです。

課題研究の内容についてですが、私は特に参考書籍を読んだりはしませんでした。

やり方としては、課題研究のテーマを読み込む→そのテーマに沿ってインターネットで検索→目ぼしい記事を3,4つ見繕って、その内容を書く。

記事のコピペはばれてしまうので、必ず自分の言葉に置き換えましょう。記事3,4つの内容をを切り張りしていけば、それだけで課題研究に必用な文字数は確保できます。つまり記事そのものではなく、”内容の切り張り”をしていくのです。

文字数が足りないようであれば、前置きや補足等を使って文字数を稼ぎましょう。

先ほど述べたように、内容での優劣をつけるのは採点者側からしても難しいため、課題研究の内容が既存の論文等の内容の切り張りでも、形式さえ正しければ問題なく合格点が取れてしまいます。

授業について

昨今のコロナ事情により、補修所での直接講義は減り、ほとんどがeラーニングとなっているため、その点では授業の出席単位は稼ぎやすくなっているでしょう。

ただし、特にJ1のうちのゼミやディスカッションには欠かさず出席しましょう。

後で単位が足りなくなってから受けようとすると、年次が上がって忙しくなりながらの受講なので、精神的にかなり厳しいです。

修了考査について

修了考査については色々な神話があります。”過去問をやっておけば大丈夫”、”直前1か月勉強すれば合格できる”といったものです。

しかし、修了考査問題は年々難易度が上昇していますし、過去問とはがらっと違う問題内容になることもざらです。また、余程地頭が良くない限り、1か月だけの勉強では時間が足りないので、十分に余裕をもって勉強しましょう。

勉強の仕方については、素直に予備校を頼りましょう。予備校費用は法人で負担してもらえる場合が多いので、確認しておきましょう。

「会計士である以上、会計監査基準や監査六法で勉強するべきで、予備校を頼るべきではない」といった意見もありますが、修了考査は試験範囲も広く、網羅するのが大変なので、効率的な勉強のためにも予備校はぜひ使いましょう。

修了考査受講年次のJ3になると、仕事もかなり忙しくなってくるでしょうから、とにかく効率的に勉強するのに越したことは無いです。

修了考査の勉強をいつから始めるべきか、についてですが、予備校の修了考査対策事態は、本考査の1年前くらいから開講しています。確実に考査に受かりたいのであれば、早めの受講をおススメします。私の場合、修了考査の8か月前から勉強していました。

修了考査対策の講義数はかなり多く、対策テキストも分厚いです。

それらをキチンとやり込めば、大体合格できます。ただし、分厚いテキストを網羅的に勉強し、講義も全て受けるとなると、物理的な勉強時間を相当程度、確保する必要が生じてきます。

そういった意味でも、確実な修了考査合格を狙うのであれば、半年前くらいから修了考査対策の勉強を始めていった方がいいでしょう。

J3ともなると、日々の業務でかなり忙殺されていると思いますので、勉強時間の安定的な確保、という観点からも早めの勉強開始がベターです。

まとめ

以上、長々と説明してきましたが、これにて会計士補修所を乗り切る基本ノウハウはお伝えできたかな、と思います。

極端な話、補修所はいかに要領良く単位を取って、効率的に勉強をしていくかの勝負です。

使えるものは最大限に使って、効率よく補修所を乗り切っていきましょう。

それでは、また

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