今回は、会計士の仕事について記載したいと思います。
主に、これから会計士を目指そうとしている人向けの内容になります。
目次
会計士の仕事の現状
会計士の仕事は年々増加しております。
というのも、例えばどこかの上場企業で会計不正が起き、それがメディアに大きく取り上げられたとします。
その場合、監査をしていた監査法人・会計士は何をしていたのか、という話がメディアで取り上げらる場合があります。
そうした批判が来た場合、監査業界はどうするかというと、それに対応した業務を増やす、という方法で社会の批判をかわそうとします。
例えば、役員報酬の不正問題が起こってそれがメディアで大きくとりあげられたとすると、監査業界は役員報酬についてより細かく監査をするように○○という監査手続をし、○○という文書を残すこと、と指示がきます。
一見、社会の要請に対応しているように見えますが、監査している側からすれば、単純な業務量の増加になります。これが会計不正が起こるたびに繰り返されるため、年々監査量が増大し、会計士の負担は増加していくことになります。
また、監査業界はより厳しい監査、細かい監査を会計士に求めるトレンドになっているため、監査業務が増えることはあれど、減ることはありません。
世間では業務の効率化を行い、無駄な業務は削減しようという流れが起こっていますが、監査業界に関してはそのトレンドと真逆の方針になっているとも言えるでしょう。
会計士試験受験者の減少
会計士受験者数は2010年度には、その数は実に25,648人にのぼりましたが、2019年度には12,532人と、2010年度の半分以下の受験者数になっています。
会計士試験の合格者は毎年の経済的情勢により大きく乱高下すること、会計士の仕事に対する世間の魅力低下等といった事情が相まって大きく受験者数が減少しております。(2020年度以降は微増傾向ですが・・・)
AIに仕事を奪われるか?
AIの台頭により、会計士の仕事が奪われる、という話をよく聞きます。
それにより生き残っていける会計士は減少していくという悲観的な話が議論されます。
しかし、監査業界は上記のように年々監査業務が増大している傾向があり、加えて会計士試験受験者が大きく減少していることも相まって、監査法人は人手不足に悩まされております。
増え続ける業務量に辟易し、監査法人を辞める会計士も増えてきております。
AIの台頭によって奪われる仕事は、まず単純作業や複雑でない判断といったものからになっていくでしょう。
監査業界では、雑多な業務が年々増えていく現状からすると、AIに仕事を代わってもらえるのは、むしろ好都合といえるのではないでしょうか。
監査では、エクセルによる調書様式の更新や単純な数式の追加、年度の数字を更新するだけの書類の作成、等々の簡単な業務量が相当多く、会計士への大きな負担となっています。
そうした業務をAIに代わってもらえれば、会計士は雑多な業務から解放され、より深い監査領域に集中することができるでしょう。
慢性的な人手不足となっている現状から考えても、今後5年やそこらで、急に会計士の求人が減る、といったことも無いでしょう。
したがって、少なくとも今後5年程度の将来に関しては、会計士の仕事がAIに奪われるといった心配はしなくてもいいと思います。
まとめ
会計士の仕事量は年々増加していること、監査業界は仕事量を増やすトレンドになっていること、AIに変わられるのはそうした雑多な業務からになるであろうということを述べました。
これから会計士を目指そうか迷っている方は、そうした監査業界のトレンドを把握したうえで決断をするとよいと思われます。
それでは、また。