皆様こんにちは
簿記の勉強をしていらっしゃる方、今回は当座預金にまつわる銀行勘定調整表についてご説明していきたいと思います。
目次
銀行勘定調整表とは
当座預金残高を持っている企業が作るものになります。
この当座預金残高、会社で把握している額と銀行との残高にズレが生じる場合があります。
このズレに関して、銀行側の処理の都合による場合と、当社の処理が影響している場合の2つがあります。
銀行側の処理の都合による場合は特に修正が必要ありませんが、当社の処理が影響している場合、修正をする必要があります。
銀行側のずれと、会社の側のずれ、それぞれの場合でずれの原因をみつけ、調整をしていくのが銀行勘定調整表となります。
銀行側の処理の都合による場合
この場合には3つのパターンがあります。
①時間外預入
②未取立小切手
③未取付小切手
この3つのパターンの場合、会社側で修正の必要はありません。
なぜなら企業側の処理は正しく、銀行側が処理を行えば勝手にずれが解消されるものだからです。
順番に解説していきます。
①時間外預入
銀行へ午後3時以降に預け入れた場合、翌日の日付で処理されます。この場合、銀行の処理の問題なので、当社が原因ではなく、よって修正は必要ありません。
例えば当座預金口座み¥500を預け入れたが、午後3時以降の処理だったので、銀行側では翌日に反映される、というような場合。
この場合、会社側は特段、仕訳をきる必要はありません。
銀行勘定調整表の銀行側に¥500を記入し、処理は終わりです。
②未取付小切手
仕入先に対して振り出した小切手¥1,000がいまだ銀行に提示されていない、といった場合です。
この場合、仕入先の問題のため、当社が原因ではなく、よって修正仕訳は必要ありません。
銀行勘定調整表の銀行側に¥1,000をマイナスして処理は終わりです。
③未取立小切手
他人が振り出した小切手を銀行に預け入れ、その代金の取立を銀行に依頼する場合があります。
この時、銀行がまだ取り立てていないものを未取立小切手といいます。
例えば会社が1,000円の小切手を銀行に預け入れ、その回収を依頼した場合。銀行は小切手の振込先にまだ取り立てていないというケースです。
この場合、会社が原因ではないので修正仕訳の必要がなく、銀行勘定調整表の銀行側に¥1,000をプラスして処理は終わりです。
企業側の処理の問題である場合
この場合3つのパターンがあります。
①誤記入
②連絡未通知
③未渡小切手
この3つは、企業側で適切な処理がされていない場合になります。
勝手に解消されるものではないため、企業側で修正仕訳が必要になります
①誤記入
得意先からの売掛金の当座預金への振込額¥1,000を貸借逆に計上していた。
なお、当社の当座預金帳簿残高は¥1,000、銀行残高証明書は¥3,000だった。
この場合、会社側の問題であるため、当座勘定照合表に¥1,000の修正と、¥1,000の追加を記入する。
そして、修正仕訳として当座預金2,000/売掛金2,000という仕訳をきる。
この場合、以下の考え方で修正仕訳をきります
1.あるべき仕訳
当座預金1,000/売掛金1,000
2.間違えた仕訳
売掛金1,000/当座預金1.,000
3.間違えた仕訳の逆仕訳
当座預金1,000/売掛金1,000
こと取引の1と3を合算させて、当座預金2,000/売掛金2,000と仕訳をきるわけです。
②連絡未通知
買掛金の代金¥1,500が銀行から引き落とされていたが、銀行からの連絡が未達のため、その分が未記入になっていた。
当社の当座預金残高は¥11,500であったが、銀行残高証明書は¥10,000であった。
このような未通知の場合、銀行の残高が正しいため当社側で未通知分を反映させる必要があります。
当座預金残高の額を¥1,500マイナスして、修正仕訳をきります。
買掛金1,500/当座預金1,500
当座勘定照合表も当社側の勘定を¥1,500マイナスする必要があります。
③未渡小切手
代金の支払いのために振り出したと思っていた小切手¥500が、会社の金庫に保管されたままになっていた。
当社の当座預金帳簿残高は¥9,500、銀行残高証明書は¥10,000であった。
この振り出したと思っていたがまだ銀行に渡していなかった小切手を未渡小切手といいます。
今回の場合、当座勘定照合表の会社側金額を¥500追加して、当座預金500/買掛金50という処理をします。
まとめ
以上が銀行勘定調整表の処理と、それに合わせた仕訳になります。
銀行勘定調整表を初めて処理するという場合、最初は混乱しやすいかと思います。
迷ったら、会社と銀行どちらの銀行勘定調整表を修正する必要があるか、で考えてみましょう。
銀行側の修正であれば会社として追加の仕訳は必要ありません。
会社側の修正であれば追加の仕訳が必要となります。
そして、追加の仕訳がある場合、本来するべき仕訳と、現状している(あるいはしていない)仕訳が
何かを考えるようにするといいです。
それでは、また